FURCH GUITARS
FURCH GUITARについて
1989年、長く続いた共産主義体制が終わり、1993年スロバキアと分裂、チェコスロバキアから、チェコ共和国として独立したチェコ。
もちろん行ったことはないが音楽が盛んな土地だそうで、クラシック音楽ははもちろんのこと、意外にもブルーグラス・ミュージックが盛んな国だ。ヨーロッパ人のブルーグラス等というとピンと来ないかもしれないが、スラベリク・ハンズリク、ダン・クレアリーとアルバムで競演したイタリアのベッペ・ガンベッタなど、ヨーロッパ出身のブルーグラス・プレイヤー、もしくはブルーグラス・テイストの演奏をするプレイヤーは少なくない。日本人のブルーグラス・プレイヤーもいるのだから、当然と言えば当然。ブルーグラス・ミュージックも遙かなルーツをたどれば、ヨーロッパに行き着くのだから確かに当然だ。
創始者フランティセック・フォルヒ(右写真)も元々ブルーグラス・ミュージックが大好きで、実際にプレイヤーとして演奏してきた。しかし以前は共産圏諸国といえば、西側の文化に対し、かなりの制限がされており、こういうプレイヤー達は思うように演奏できなかったと想像できる。ギター製作も同様で、圧政の下相当な危険と苦労があったようだ。
フォルヒ氏は1981年からギター製作を始めており、この道25年のベテラン製作家。民主革命後はようやく自由にギター製作が出来るようになり、生産本数を延ばしている。工房も充実させ、年間4000本あまりを生産している。従来は主にドイツが出荷先だったようだが、ついに日本でも紹介できるようになった。
驚くのは価格とクオリティ。驚異のハイ・コストパフォーマンスだ。初めてフォルヒを手にした方はまずその鳴りに驚く。堂々たる音量、よく伸びるサスティーン、深みなどなど。そして価格を聞いてまた驚く。その背景には現在のチェコの物価が影響しているらしいが、この楽器を日本円で低価格で買えるのはラッキーだと思う。
OM、Gという型番がつくジャンボタイプ、ドレッドノート。モデルも豊富にあり、順次入荷予定なので、是非チェックしてもらいたい。少し覚えにくい名前だが「フォルヒ」は間違いなく印象に残る楽器だ。
2018年創業者のフランティセック・フォルヒ氏からピーターフォルヒ氏へ事業が受け継がれてラインナップを一新。カラーシリーズ各種やナイロンモデル、そしてフルオーダーの導入など今後も目を離せない。
チェコの工場内風景
チェコ共和国、きっと油絵に描かれたようなロマンチックな町並みなんだろうと想像してしまう。一度は行ってみたいもののなかなかそうもいかない。フォルヒの工場は古く17世紀に建てられたものだとか。右はその工場のちょっとした風景。いかにも頑なそうな職人がサイド板になるローズウッドに熱を加えてプレスしながら曲げていく(左上)。バインディングを巻き終わったボディのサイドを刃物でなでて平面を出してゆく(左下)。和やかな雰囲気の中、作業をする女性の笑顔は素敵だ。塗装が終わっていよいよボディの仕上げ、バフがけ、塗膜に艶をだしてゆく(右下)。一つ一つ丁寧な工程を経て仕上がったフォルヒギターはモルダウよりも長い旅をして日本に届きます。
名品のご紹介「G25 SRCT」
本ギターは旧フラッグシップモデル25シリーズにおけるハイエンドモデルで、当店にてオーダーしたこだわりの逸品です。フォルヒのベテランクラフトマンがその厳しい目で選りすぐった贅沢な最高級材のみを惜しげも無く使用し、受注生産により丁寧に製作されている特別なギターになります。OMより少し大きくDより小さい絶妙なオリジナルサイズで日本人体型によく合う"G"モデルに、表板にシトカ・スプルース、側・裏板にはインディアン・ローズウッドが使用され、コアによるウッド・バインディングや各部美しいインレイワークによる上品な佇まいを見事に演出している点が特徴になります。変則チューニングを想定した650mmのロングスケールと最高級材から生まれる艶やかで透明度の高いきめ細やかなサウンドは、各弦バランスが良く、クリアな中高音を伴った全体を包み込む伸びやかな響きが秀逸。シトカスプルースモデルよりもより繊細なタッチに反応し、更に伸びやかで艶やかな出音に仕上がっております。流通量も少ないことから人とはかぶらない楽器をお探しの方にもおすすめで、高級手工ギターにも勝るとも劣らない最高級ヨーロピアンサウンドの魅力を存分にご堪能して頂けることでしょう。
華麗なインレイワークと厳選されたプレミアム材によるフォルヒ渾身のフラッグシップモデル。流通の稀なおすすめの逸品です。
ギターケース
フォルヒギターにはすべて専用ハードケースが付属します
(イギリス製高級ハードケースHISCOXにて製作されるオリジナルケースです)。